北アルプスと聞くと、険しい山道を登る本格的な登山を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
けれど、富山の大自然は、トロッコ列車やケーブルカー、ロープウェイ、バスなどを利用することで、登山をしなくても壮大な山々や渓谷の景色を楽しむことができます。
黒部峡谷のトロッコ列車に乗りたい。温泉でゆっくり過ごしたい。そして、富山ならではの美味しいものも味わいたい。
そんな希望を叶えるため、今回は車を利用して富山を巡る旅を計画しました。
旅程は、長野県の松本で前泊し、富山で2日間観光した後、立山黒部アルペンルートを通って長野県側へ。軽井沢でさらに1泊して帰路につく3泊4日の旅です。
この記事では、黒部峡谷トロッコ電車や立山黒部アルペンルートの見どころに加え、実際に訪れてわかったチケット予約のポイント、富山から長野へ抜ける際の車の回送サービス、宇奈月温泉で楽しんだ富山グルメなどをご紹介します。

立山・室堂
東京から車で行く秋の富山旅|黒部峡谷トロッコと立山黒部アルペンルートを巡る
富山を訪れるなら、ぜひ楽しみたいのが、黒部峡谷トロッコ電車と立山黒部アルペンルート。
雄大な自然を満喫できる、富山を代表する人気の観光スポットです。
せっかく富山まで足を運ぶなら、どちらも巡ってみたいと思う方も多いのではないでしょうか。
ただ、この2つの観光スポットはそれぞれ離れた場所にあり、両方を効率よく巡るには、移動手段を工夫する必要があります。
そこで今回の富山旅行では、マイカーを利用し、車の回送サービスを活用することにしました。
立山駅からアルペンルートを通り抜け、長野県側の扇沢へ。私たちが乗り物を乗り継いで観光している間に、車は扇沢まで回送してもらいます。
これなら、立山駅まで戻る必要がなく、富山から長野へと旅を続けることができます。
今回は、黒部峡谷トロッコ電車や宇奈月温泉での滞在に加え、立山黒部アルペンルートの見どころ、実際に利用した車の回送サービス、交通費などもあわせてご紹介します。
富山観光の2大スポットを巡る|車の回送サービスという選択肢

立山黒部アルペンルート 車の回送サービス
黒部峡谷トロッコ電車と立山黒部アルペンルートの両方を楽しむ場合、事前に考えておきたいのが、車の移動です。
立山黒部アルペンルートは、富山県側の立山駅から長野県側の扇沢まで、乗り物を乗り継いで通り抜けることができます。ただし、マイカーでそのまま通り抜けることはできません。
立山駅から出発して扇沢まで観光したあと、立山駅へ戻るとなると、時間もかかり同じ景色を往復することになります。
そこで便利なのが、車の回送サービス!
回送サービスを利用すれば、自分たちはアルペンルートの観光を楽しみながら、車は出発地から到着地まで移動してもらえます。
今回はこのサービスを利用して、富山から長野へと抜けるルートを選びました。
今回利用したのは「立山トラフィックサービス」

立山黒部アルペンルート 車の回送サービス
車の回送サービスを取り扱う会社はいくつかあり、私たちも何社か問い合わせをしたうえで、今回は立山トラフィックサービスさんを利用しました。
実際に利用して特によかったのは、スタッフの方々の対応がとても丁寧だったことです。
最初にアルペンルートのチケットを予約した際は午前の空きがなく、やっと取れたチケットは立山駅を13時に出発する便でした。できればもう少し早い時間に出発したいと思っていたため、空きが出たら変更したいと考えていました。
その後、午前中に出発するチケットへ変更することができ、時間変更のために2、3回電話で問い合わせましたが、引き渡し時間の変更をしていただく度に快く対応していただけたのが印象に残っています。
さらに当日は、予定より早く立山駅に到着したため、早い時間のケーブルカーに変更できないかケーブルカーの受付窓口の方へ交渉しくださり、予定より早い臨時便に乗ることができました。
電話はフリーダイヤルですぐにつながり、出発地・到着地での対応も親切で丁寧。車も燃費よく丁寧に運転していただけたようで、安心してお任せすることができました。
また、コンビニで支払うことで1,000円の割引を受けられるJTBのレジャーチケットを利用できたのも、うれしいポイントでした。
車の回送サービスの料金
今回利用したのは、立山駅から扇沢まで車を回送してもらうサービスです。
料金は車種などによって異なる場合がありますが、今回の利用料金は以下のとおりでした。
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| 通常料金 | 27,000円 |
| JTBレジャーチケット利用時 | 26,000円 |
※今回利用した際の料金です。
▶ 立山黒部アルペンルートの車の回送サービス

また、手荷物の回送サービスは、別会社になりますが、立山黒部アルペンルートで取り扱っているようです。荷物を持って乗り物を乗り継ぐ負担を減らしたい方は、こちらも確認してみるとよさそうです。
宇奈月温泉から立山黒部アルペンルートへのアクセス
黒部峡谷トロッコ電車と立山黒部アルペンルートの両方を巡る場合に少し悩ましいのが、宇奈月温泉から立山黒部アルペンルートの富山側の玄関口となる立山駅までの移動です。
電車を利用すると、乗り換えが多く、移動に約1時間40分から約2時間半かかります。一方、車なら約1時間。
移動時間を大幅に短縮できるのが、車を回送するメリットです。

宇奈月温泉から立山へのアクセス
秋旅・富山の旅行日程|3泊4日
今回は、東京発、富山、長野を巡るマイカーの旅です。
松本で前泊し、富山で黒部峡谷トロッコ電車や宇奈月温泉を楽しんだ翌日は、立山黒部アルペンルートを通って長野県側へ。軽井沢でもう1泊して帰路につく、3泊4日の旅。
| 日程 | 旅の内容 | 宿泊 |
|---|---|---|
| 1日目 | 東京から長野県・松本へ移動 | 松本 |
| 2日目 | 富山へ移動、黒部峡谷トロッコ電車を観光 | 宇奈月温泉「延楽」 |
| 3日目 | 立山黒部アルペンルート、室堂・黒部ダムを観光。扇沢から長野県側へ移動 | 軽井沢 |
| 4日目 | 軽井沢で過ごし、帰路へ | — |
ここからは、黒部峡谷の絶景や宇奈月温泉での滞在、立山黒部アルペンルートで出会った風景など、実際に訪れて感じた富山の魅力をご紹介します。
黒部峡谷トロッコ電車で大自然を満喫

黒部峡谷トロッコ電車
今回の旅で楽しみにしていたことのひとつが、黒部峡谷トロッコ電車への乗車です。
日本有数の深いV字峡谷として知られる黒部峡谷。切り立った山々や清らかな川の流れを眺めながら、トロッコ列車で進んでいきます。
今回は宇奈月駅から鐘釣駅まで乗車しました。片道約1時間で、鐘釣駅では散策や休憩を楽しみました。
途中駅での待ち時間や簡単なお昼休憩も含め、今回の所要時間は約3時間半。観光をゆっくり楽しむためにも、時間に余裕を持って計画するのがおすすめです。

黒部峡谷トロッコ電車
中でも、中世ヨーロッパのお城を思わせる新柳河原発電所の建物や、ターコイズブルーに輝くうなづき湖は、とても美しい景色でした。

黒部峡谷トロッコ電車
また、旧やまびこ橋や新やまびこ橋を渡るトロッコ電車の姿も、ぜひ写真に収めたいフォトスポットのひとつです。橋を走る列車と周囲の渓谷が織りなす風景も、黒部峡谷ならではの魅力です。
2026年10月1日には、2024年の能登半島地震からの復旧工事を経て、宇奈月駅から欅平駅までの全線運行が再開されました。
私が訪れたのは10月初旬。紅葉はまだ始まったばかりでしたが、緑に包まれた渓谷を吹き抜ける風が心地よく、列車に揺られながら景色を楽しむ時間そのものが、旅の思い出になりました。
鐘釣駅で下車して渓谷の景色を楽しむ

黒部峡谷トロッコ電車
黒部峡谷トロッコ電車の主な停車駅は、宇奈月駅、黒薙駅、鐘釣駅、欅平駅です。
どこで下車するか迷いましたが、電話で問い合わせても駅の窓口でも、お宿の方に尋ねても、どの人に聞いても鐘釣駅をおすすめされたので、今回は鐘釣での下車を選びました。
欅平まで開通した初日は、まだ工事中で行き止まりの箇所も多いことから、私が乗車した便では、鐘釣駅で下車する方が多く見られました。

鐘釣河原
鐘釣河原では、黒部川の自然を間近に感じることができます。足湯も楽しめるほか、駅ではトロッコ列車のスイッチバックを見ることもできました。
今回は1時間弱滞在しましたが、河原の景色を楽しみ、駅周辺を散策するには十分な時間でした。
トロッコ列車の座席選びと予約のポイント

黒部峡谷トロッコ電車
車両は、開放感のあるオープンタイプの普通客車を選びました。
予約時に車両は指定されますが、車両内の座席は自由。
渓谷の景色を楽しみたい方は、行きは進行方向右側、帰りは左側を意識して座席を選ぶのがおすすめです。
チケットは公式サイトから往復でWEB予約。予約の際に時間指定も必要です。
鐘釣での滞在時間は、食事などの休憩をしない場合、1時間程度の滞在を目安にして、帰りの列車を予約するといいと思います。
到着してから楽しむというより、鐘釣まで片道約1時間、トロッコからの景色を楽しむ旅です。
鐘釣で河原に降りる道は急ですが、トロッコに乗車して風景を楽しむだけであれば、体力のない人でも満喫できると思います。
紅葉シーズンなどは混雑も考えられるため、旅行の日程が決まったら早めに空席を確認しておくと安心です。
宇奈月のお昼事情

宇奈月駅
鐘釣駅での滞在時間や食事の場所も、事前に考えておくとスムーズです。
鐘釣でお弁当を食べるとすると、鐘釣河原となりますが、この日は1日照りが強く、日陰の場所が少なかったので、結局宇奈月駅で購入したお弁当は、戻ってから駅構内の2階にある、景色のよいフリースペースでいただきました。

鐘釣駅
鐘釣駅にも軽食を楽しめる美山荘がありますが、訪問日の12時前は、まだ営業していませんでした。お店の方は「これから~」と言いながらメニューの看板を設置している途中でしたので、12時頃からオープンするのではないかと思います。

アルペンチーズケーキ
宇名月温泉駅周辺は、飲食店が全くないというわけではありませんが、あまりありません。駅のフリースペースでおにぎりのお弁当を食べた後、駅前のチーズケーキ屋さんが有名ということで、ケーキをいただいてきました。
この後は、徒歩10分くらいのところにローソンまだ歩き、そこで翌日使う車の回送サービスの支払いをすませました。その後は歩いてお宿へ、ゆっくり寛ぐことができました。
乗車時間と料金
今回は、宇奈月駅から鐘釣駅まで乗車しました。片道の乗車時間は約1時間で、黒部峡谷の山々や清流を眺めながら、ゆったりとした列車の旅を楽しめます。
乗車区間ごとの所要時間と料金は、以下のとおりです。
| 乗車区間 | 片道の乗車時間 | 大人料金(片道) |
|---|---|---|
| 宇奈月駅〜黒薙駅 | 約25分 | 830円 |
| 宇奈月駅〜鐘釣駅 | 約1時間 | 1,780円 |
| 宇奈月駅〜欅平駅 | 約1時間20分 | 2,480円 |
※料金は普通客車の大人運賃です。リラックス客車を利用する場合は、別途車両券600円が必要。
宇奈月温泉「延楽」で富山の味覚と温泉を楽しむ

宇奈月温泉 延楽
黒部峡谷を楽しんだ後は、宇奈月温泉の老舗旅館「延楽」へ。
富山に宿泊するなら、温泉と地元の美味しいものをゆっくり味わいたい。そんな思いから選んだお宿です。
宿選びでは、JTBが厳選した旅館・ホテルの情報も参考にしました。
▶ 延楽の宿泊プラン・料金を確認する

山の緑に包まれた天然温泉

宇奈月温泉 延楽
延楽の魅力のひとつは、山の緑に包まれながら温泉を楽しめること。
露天風呂では、目の前に広がる自然の景色を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごせました。
なかでも印象に残ったのが、宮大工の技が光る樹齢400年の総ヒノキの露天風呂。その趣ある佇まいと木のぬくもりがすばらしく、今回の滞在で一番のお気に入りになりました。

宇奈月温泉 延楽
館内には全部で4か所の温泉があり、露天風呂を組み合わせた2つの浴場が、男女それぞれ日替わりで入れ替わります。滞在中に異なる趣のお風呂を楽しめるのもうれしいところです。
露天風呂付きのお部屋もありますが、残念ながら今回は、予約しようとしたときにはすでに埋まってしまっていました。それでも、客室からも温泉からも山の緑を望むことができ、自然に包まれた心地よさを存分に味わえました。
黒部峡谷の観光を楽しんだあと、旅の疲れを癒やしながら、ゆっくりと過ごすのにぴったりのお宿でした。
富山湾の魚介や氷見牛など、富山の味覚を堪能

宇奈月温泉 延楽
お料理も、今回の旅で特に印象に残ったもののひとつです。

宇奈月温泉 延楽
天然のいけすとも言われる富山湾で水揚げされた旬の魚介をはじめ、紅ズワイガニ、白エビ、牡丹エビ、太刀魚や鯛のお刺身など、富山ならではの味覚を楽しみました。

宇奈月温泉 延楽
なかでも印象的だったのが白エビです。
何もつけず、そのままいただいたのですが、口いっぱいに広がる甘みに驚きました。

宇奈月温泉 延楽
そして、なめらかな口あたりと、とろけるような脂の甘みが魅力の氷見牛。

宇奈月温泉 延楽
さらに、食事の場で釜炊きしていただく富山県産コシヒカリの新米も楽しみのひとつでした。
どのお料理も美味しく、夢中で食べ続けてしまうほど。ふと口からこぼれるのは、「美味しい〜」という言葉ばかり。

宇奈月温泉 延楽
美味しい富山のコシヒカリや朝食でいただいた辛子椎茸はお土産コーナーで販売していたので、購入して自宅でも美味しい余韻を楽しんでいます。
温泉もお料理も心に残る、忘れられない富山の旅。いつかまた訪れたいと思う、素敵なお宿でした。
▶ 延楽の宿泊プラン・料金を確認する

トロッコ列車の観光にも便利な立地

宇奈月駅
延楽から、黒部峡谷トロッコ電車の宇奈月駅へ送迎もしていただけますし、徒歩でもアクセスできる便利な立地です。
立山黒部アルペンルートで北アルプスの絶景へ

立山黒部アルペンルート
翌日は、立山黒部アルペンルートへ。
宇奈月から立山の駅までは、車で約50分です。
立山駅からは、ケーブルカーとバスを乗り継ぎ、標高2,450mの室堂を目指します。さらに、電気バスやロープウェイ、ケーブルカーを乗り継いで黒部ダムへ向かいました。
山頂を目指す本格的な登山をせずとも、乗り物を利用しながら北アルプスの雄大な景色を楽しめるのが、立山黒部アルペンルートの魅力です。
立山黒部アルペンルートの乗り換えと所要時間
車で立山駅に到着したのは9時30分。10時20分に駅を出発し、はじめの目的地「室堂」で食事も混み約2時間、その後次の目的地「黒部ダム」へ移動し約30分観光。長野の扇沢には15時50分に到着しました。
立山から扇沢までの所要時間は、合計6時間20分です。
| 区間 | 乗り物・移動方法 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 立山駅 → 美女平 | 立山ケーブルカー | 約7分 |
| 美女平 → 室堂 | 立山高原バス | 約50分 |
| 室堂 → 大観峰 | 立山トンネル電気バス | 約10分 |
| 大観峰 → 黒部平 | 立山ロープウェイ | 約7分 |
| 黒部平 → 黒部湖 | 黒部ケーブルカー | 約5分 |
| 黒部湖 → 黒部ダム | 徒歩 | 約15分 |
| 黒部ダム → 扇沢駅 | 関電トンネル電気バス | 約16分 |
途中にはいくつもの見どころがありますが、今回、特に時間を取りたい場所は、室堂と黒部ダムです。
弥陀ヶ原|日本で最も標高の高い場所にあるラムサール条約登録湿地

立山黒部アルペンルート 弥陀ヶ原
美女平から室堂へ向かうバスの途中にある弥陀ヶ原(みだがはら)。
ここには、「立山弥陀ヶ原・大日平」としてラムサール条約に登録された湿地が広がっています。日本で最も標高の高い場所にある登録湿地として知られ、火山活動によって形成されたなだらかな台地には、小さな池や水たまりが点在しています。
バスからの眺めも最高でひと眠りする間もありませんでした。私は乗り物酔いしやすいほうですが、運転がなめらかで上手だったということもあり、まったく酔いませんでした。
弥陀ヶ原途中下車することもできますが、美女平からバスに乗るときには室堂への直行便の列には並ばないようにしてください。
室堂|みくりが池周辺を散策

立山黒部アルペンルート みくりが池
みくりが池周辺を散策
立山黒部アルペンルートで訪れたかった場所のひとつが、室堂にある「みくりが池」です。
標高2,450mの室堂は、360度に広がる山々の景色が魅力。なかでも、北アルプスで最も美しい火山湖ともいわれるみくりが池は、ぜひ訪れたい場所です。
「御厨(みくり)」は、神様の台所を意味する言葉なのだそうです。
山頂を目指す登山も魅力的ですが、今回はみくりが池の周辺を散策することにしました。池の周りを一周するのにかかった時間は、約1時間。坂道もありますが、石畳を中心に歩道が整備されています。散策には歩きやすい靴がおすすめです。
室堂で出会ったライチョウと地獄谷

立山黒部アルペンルート 雷鳥
そして、室堂では、国の特別天然記念物であり、絶滅危惧種にも指定されているライチョウに出会うことができました。雄大な山々が広がる自然の中で、その姿を見られたことは、旅の忘れられない思い出のひとつです。

立山黒部アルペンルート 地獄谷
室堂では、地獄谷の景色も印象的でした。ガスの影響で近くまで下りることはできませんでしたが、噴煙が立ち上る様子を見ることができました。
山の景色を眺めながら歩き、貴重な野生動物にも出会えた室堂。移動の多い旅の中で、立山の豊かな自然をゆっくり味わえるひとときとなりました。
黒部ダム|圧倒的なスケールに感動

立山黒部アルペンルート
室堂を後にし、立山トンネル電気バスで大観峰へ。そこからロープウェイ、ケーブルカーを乗り継ぎ、黒部湖へと向かいました。

黒部ダム
乗り継ぎの乗り物は混雑していて、鮨詰め状態になる場面もありましたが、それでも、いつか一度は訪れてみたいと思っていた黒部ダムに到着したときは、感慨深いものがありました。
日本一の高さ186mの巨大ダムと観光放水

黒部ダム
目の前に広がるのは、圧倒的なスケールの黒部ダム。

黒部ダム
放水によって舞い上がった水しぶきが風に乗り、きらきらと輝きます。タイミングによっては虹が見られることもあり、自然が生み出す美しい光景に目を奪われました。
美しいアーチ型の形状は、少ないコンクリート量で大きな水圧に耐えられるよう工夫されたもの。そして、高さ186mの堤体から流れ落ちる観光放水は、まさに圧巻です。
これほど壮大な建造物が、多くの人々の情熱と努力によって築かれたことを思うと、自然の美しさだけでなく、人の力が生み出した景色にも心を動かされます。
自然と人の力が織りなす、忘れられない風景でした。
関西電力が黒部ダムを管理する歴史的背景
黒部ダムは、総工費約513億円をかけ、7年もの歳月を経て昭和38年(1963年)に完成したダムです。戦後の深刻な電力不足を背景に建設された、世紀の大事業として知られています。
ここで意外に感じたのが、黒部ダムを管理するのが、北陸電力ではなく関西電力だということでした。
その背景には、1951年の電力会社再編があります。当時、全国の電力事業を再編する際、発電所を所在地の地域ごとに分けるのではなく、主にどの地域へ電気を供給していたかという「消費地」を基準に振り分ける考え方が採用されました。黒部川流域の発電所は関西地方への電力供給を担っていたことから、関西電力に引き継がれたのだそうです。北陸の山深い場所で生まれた電気が、遠く離れた関西の暮らしを支えていたことに、黒部ダムの壮大な歴史を感じます。
立山黒部アルペンルートのWEBチケット予約|事前に知っておきたいこと

立山黒部アルペンルート
今回の旅行で、特に苦労したのが立山黒部アルペンルートのWEBチケットの予約です。
利用した旅行会社のプランにはアルペンルートの乗車券が含まれていなかったため、自分で手配する必要がありました。
ところが、繁忙期の週末だったこともあり、希望する時間帯のチケットはなかなか確保できず、途中で心が折れそうになったほど。
それでも、こまめに空席状況を確認し続けた結果、出発11日前に午前中の便を確保することができました。
予約について電話窓口にも問い合わせたところ、スタッフの方々は丁寧に対応してくださり、チケット確保のためのアドバイスもいただきました。
WEBチケットの予約で知っておきたいポイント
- 早めの予約がおすすめ: 繁忙期や週末は希望する時間帯が満席になることもあるため、発売開始時期を確認して早めに手配しておくと安心です。
- 満席でもこまめに確認:キャンセルなどによって空きが出る可能性があるため、希望の便が取れなくても、予約サイトを定期的に確認してみると良いです。
- 繁忙期は当日券にも注意: 繁忙期は当日券が午前中の早い時間帯に売り切れてしまうこともあるため、当日購入を予定している場合は注意が必要です。できるだけ事前にWEBチケットを確保しておくと安心です。
- 出発時間は余裕を持って計画:室堂での散策や昼食、黒部ダムの見学時間も考慮し、扇沢への到着時刻まで見通して計画を立てるのがおすすめです。
また、窓口の方からは、出発日の10日前ごろはキャンセルによって空きが出る可能性があることや、当日のチケットや時間変更については、団体客が動き始める午前9時より前の早い時間に窓口へ相談するとよいことも教えていただきました。
実際に、私たちは出発11日前に午前中の便を確保でき、当日は臨時便への変更によって、予定より早く出発することもできました。ただし、空席が出ることや当日変更ができることが保証されているわけではありません。
希望の時間帯が満席の場合も、すぐに諦めずに空席状況を確認してみる価値はあると感じました。
立山黒部アルペンルートの乗り物は混雑する?乗車時の注意点
立山黒部アルペンルートは、バスやケーブルカー、ロープウェイなど、いくつもの乗り物を乗り継いで移動します。観光シーズンは混雑することもあるため、乗車時の様子を事前に知っておくと安心です。
乗車時間が約50分と長い立山高原バスは、全員が着席できるため安心ですが、立山ケーブルカーや立山ロープウェイなどは、乗車時間が約7分と短いこともあり、混雑時には立ったまま、すし詰め状態での乗車になることも覚悟しておいたほうがいいと思います。
また、黒部ダムから長野県の扇沢へ抜ける場合は、関電トンネル電気バスに乗車します。約16分間、暗いトンネルの中を走りますが、混雑時には全員が着席できず、立ったまま移動する人も多数でてきます。
この電気バスで特に気になったのは、乗車前は整然と整列しているのですが、乗車場所のゲートが開くと、多くの人が足早にバスへ向かうこと。混雑時は乗車場所も慌ただしくなるため、足元に気をつけながら移動したいところです。
長時間立っていることが苦手な方や、体力に不安がある方は、こうした場面も想定し、事前に窓口へ伝えておくとよいと思います。
混雑する場面はあるものの、移動中も山々の景色や雄大な自然を楽しめるのが、立山黒部アルペンルートならではの魅力です。
室堂でランチ|とやまポークカツカレーと剱ステーキ定食

室堂 レストラン立山
室堂を散策したあとは、レストランで昼食をいただきました。
レストランの前は大勢の人で埋め尽くされていて、最初はかなり混雑しているように見えました。ところが、少し違和感があり、レジの前まで行ってみると、すぐに席へ案内していただけました。
どうやら、団体のお客様が食事の時間まで待機する場所にもなっていたようです。混雑しているように見えても、実際の案内状況は異なることがあるのだと感じました。
今回注文したのは、レストランおすすめの「とやまポークカツカレー」(2,200円)と、1日限定20食の「剱ステーキ定食」(2,900円)。
どちらもおいしく、山の上でしっかりと食事を楽しむことができました。
次回は喫茶店にも立ち寄ってみたいです。

室堂 レストラン立山
特に印象に残ったのは剱ステーキ定食。A4ランクの和牛は美味しいお肉で満足感のある一品でした。
室堂では散策だけでなく、食事の時間も楽しみのひとつ。観光の合間に、ゆっくりとランチを味わうことができました。
今回の富山旅行にかかった交通費|トロッコ電車・アルペンルート・車の回送料金
今回利用した立山黒部アルペンルートは、富山県の立山駅から長野県の扇沢まで、乗り物を乗り継いで通り抜けました。
黒部ダムを観光したあと、同じルートを戻ることもできるため、黒部ダムで折り返す場合と、長野側まで通り抜ける場合では、必要な乗車券や交通費が異なります。
今回ご紹介する料金は、立山駅から扇沢まで通り抜けた際に、実際にかかった費用です。
それぞれの料金について、実際にかかった費用をまとめました。アルペンルートの料金は、予約時間の変更に伴うキャンセル料を含めた実際の支払額です。
今回の富山旅行で利用した交通機関の料金
2026年10月・実際の利用料金
| 利用した交通機関・サービス | 区間・内容 | 実際にかかった料金 |
|---|---|---|
| 黒部峡谷トロッコ電車 | 宇奈月〜鐘釣(往復) | 3,560円/人 |
| 立山黒部アルペンルート | 立山駅〜扇沢(片道) | 10,900円/人 |
| 車の回送サービス | 立山駅〜扇沢 | 26,000円/台 |
| 合計 | 乗車料金2項目+車1台の回送料金 | 40,460円 |
※アルペンルートは早割WEBきっぷを予約後、当日早い便にに変更したため、キャンセル料1,000円を含む実支払額を記載しています。
※車の回送サービスは、JTBのレジャーチケットによる1,000円割引を利用しました。
▶ 立山黒部アルペンルートの車の回送サービス

黒部峡谷・室堂・黒部ダムの紅葉時期
富山の山岳エリアは、標高によって紅葉の見頃が異なるのも特徴です。
今回訪れた10月初旬は、室堂では紅葉が進み始めている一方、黒部峡谷ではまだ緑が多く残っていました。
| 場所 | 紅葉の見頃の目安 |
|---|---|
| 室堂 | 9月下旬〜10月上旬ごろ |
| 黒部ダム周辺 | 10月中旬〜下旬ごろ |
| 黒部峡谷 | 10月下旬〜11月中旬ごろ |
※年ごとの気温や天候によって見頃は変わります。旅行前には、各施設の公式サイトなどで最新の紅葉情報を確認してください。
同じ旅の中でも、標高や場所によって景色が変わっていくのは、山岳エリアを巡る旅ならではの楽しみです。
黒部宇奈月キャニオンルートにも注目

黒部宇奈月キャニオンルート
実は、今回の富山旅行を計画するきっかけのひとつとなったのが、新聞で目にした「黒部宇奈月キャニオンルート」の記事でした。
普段は一般の観光客が自由に立ち入ることのできない黒部の工事用ルートを、ツアーで見学できることを知り興味が湧きました。
ただ、旅行を計画した時点では、希望するツアーは既に完売。そのため、今回は立山黒部アルペンルートを利用して黒部ダムを訪れることにしました。
黒部の自然だけでなく、険しい地形の中で行われてきた工事や電源開発の歴史にも関心がある方は、今後のツアー情報を確認してみるのもよさそうです。
10月初旬の富山旅行|服装と持っていくと便利なもの
10月初旬の富山は天候に恵まれ、宇奈月温泉周辺の気温は20度ほど。日中はかなり暖かく感じました。
黒部峡谷トロッコ電車の鐘釣河原も日差しが強く、半袖や薄手の長袖1枚で過ごせるくらいでした。
ただし、トロッコ列車に乗る際は少し注意が必要です。窓のないオープン車両では風を直接感じるため、日中は暖かくても乗車中は肌寒く感じることがあります。さっと羽織れる上着を用意しておくと安心です。
立山の標高が高いエリアでは、気温表示は15度でしたが、日差しが強く、長袖1枚で十分に過ごせました。一方、黒部ダムでは風が強く、肌寒く感じる場面も。長袖の上にもう1枚羽織れるものがあってちょうどよかったです。
同じ日でも、訪れる場所や風の強さ、日差しによって体感温度は変わります。脱ぎ着しやすい服装で、気温の変化に対応できるようにしておくのがおすすめです。
万が一の場合には、立山駅に、山用品などを取り扱うお店が入っています。品揃えも豊富でしたので、こちらで調達できると思います。
足元は歩きやすさと防水性を重視
黒部峡谷トロッコ電車では、歩きやすいスニーカーを履いていきました。
一方、立山黒部アルペンルートは初めてで、現地の道の様子がわからなかったため、靴底にある程度の厚みがあり、防水機能も備えたトレッキングシューズを選びました。室堂周辺を散策することも考え、歩きやすさを重視しました。
富山旅行に持っていくと安心できるもの
今回の旅行では、食事もレストランで楽しむことができ、実際に持参したもので使ったのは主に飲み物でした。ただ、山の上では天候や混雑によって予定どおりに行動できないこともあるため、念のため用意しておくと安心なものをご紹介します。
- 軽量の折りたたみ傘: 急な雨に備えて、持ち歩きやすいものが便利です。
- 帽子:日差しが強い場所での日よけ対策に役立ちます。
- ラッシュガードやパーカーなど脱ぎ着しやすいもの:日差し対策、季節によっては防寒用のフリースやパーカーなどは、気温や風の変化に合わせた調節に便利です。
- レインコート・登山用レインウェア:トロッコ列車のオープン車両や、山の天候の変化に備えて。今回は上下セパレートタイプの登山用レインウェアを持参しました。
- 防水性のあるトレッキングシューズ:立山で散策を楽しむなら、歩きやすさに加えて防水性も考えて選ぶと安心です。
- 飲み物・手軽に食べられるもの:非常用として、水分補給用の飲み物などを持っていくと安心です。
10月初旬でも、富山の街や温泉地と、標高の高い立山、風の強い黒部ダムでは体感温度が異なります。日差し対策と防寒対策の両方を意識し、天候の変化にも対応できる準備をしておくと、より快適に旅行を楽しめると思います。
まとめ|富山の絶景・温泉・グルメを楽しむ旅

立山黒部アルペンルート 室堂
今回の富山旅行では、黒部峡谷トロッコ電車で渓谷の自然を楽しみ、宇奈月温泉の「延楽」で温泉と富山の味覚を堪能。翌日は立山黒部アルペンルートを通り、室堂の雄大な景色や黒部ダムの圧倒的なスケールを体感しました。
北アルプスというと、本格的な登山をイメージする方もいらっしゃるかもしれませんが、立山黒部アルペンルートにはケーブルカーやロープウェイ、バスなどが整備されており、乗り物を利用しながら山々の絶景を楽しめるのも魅力です。
移動には時間がかかる場面もありましたが、乗り物を乗り継ぎ、少しずつ変わっていく景色を眺める時間も、旅の楽しみのひとつとなりました。
トロッコ列車に乗りたい。
温泉でゆっくり過ごしたい。
富山ならではのおいしいものを味わいたい。
そして、北アルプスの絶景も見てみたい。
そんな希望を叶えてくれた、思い出深い富山の旅となりました。
これから富山旅行を計画される方は、移動時間や現地で過ごす時間も考慮しながら、ゆとりのある旅程を組んでみてください。
豊かな自然と温泉、そしてこの土地ならではの味覚に出会う旅。
また季節を変えて、富山を訪れたいと思います。

くろべえとでんちゃん
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トロッコ列車の旅に興味がある方は、京都・嵐山のトロッコ列車もおすすめです。渓谷の景色を楽しむ富山の旅とはまた違った魅力があります。
▶ 京都・嵐山のトロッコ列車はこちら

